川の向こう岸に見える家と夕日

アッコちゃんは北陸の小さな農村の出身だ。その村からさらに緑が茂る田舎道を車で15分程走らせたところに、母方の祖母が生まれた池城村がある。アッコちゃんは20年前、家系図を調べるために祖母の生家を訪れたときに、村の謄本を手に入れることができたのだった。

20年前アッコちゃんが訪問した時には、村には三世帯しかいなかった。一軒は一人暮らしの高齢者の女性だった。残りの二軒は家族の所帯だった。その二軒が町内会長を交代でこなしていた。

当時、祖母の生家が町内会長をしていた。池城村では町内会長が村に伝わる昔の戸籍を管理することになっている。その昔、池城村では出生および死亡届を市役所に提出する前に、町内会長がいったん書類を預かっていたのだ。今では交通手段も整っているので各所帯が直接市役所に書類を提出している。町内会長さんは厚意でアッコちゃんに戸籍を複写してくれた。

アッコちゃんが手に入れた村の謄本には、江戸時代から1800年代初めまでの村全世帯の戸籍がまとめてあった。アッコちゃんがその謄本を調べて行くと村の8軒が親戚であることが分かった。残りの43世帯との関係性は見つからなかった。

それから20年後、アッコちゃんはその謄本をまだ大事に手元に持っていた。その間、家系図を調べ、先祖のための身代わりの儀式を受けてきた。

昨年6月、自分が生まれた村の同窓会に出席した。一昨日8月、里帰りで墓参りした時に、墓地で偶然に同級生に会ったのがきっかけだった。その人に同窓会に誘われたのだ。

同窓会を通しての再会と出会い

ぜひ同窓会に行きたいと思った。動機は家族歴史の探求だった。しかし同窓会の案内が届くと、それは出席したことのない中学校の同窓会だったことに気が付いた。

それというのもアッコちゃんは、小学校3年を終えた時に村を離れ、街に住んでいた実の叔母のもとに養女に行ったからだ。大きくなり結婚し、北陸から東海地方に引越した。

アッコちゃんが調べたかったのは、自分が養女に入った家の先祖の1人についてだった。その先祖はアッコちゃんの生家がある村の出身だ。同窓会にはその先祖のことを知っている人がいるかもしれないと考えたのだった。

同窓会の幹事に電話をすると、みんなアッコちゃんを知ってるからぜひ出席するようにと言ってくれた。

同窓会には夫と片道5時間かけて向かった。夫はいつでもアッコちゃんの帰省に付き合ってくれる。夫はアッコちゃんの家系図探求に力を貸してくれて、今まで先祖の記録をいくつもの小冊子にまとめてくれた。

信仰を持って参加した同窓会の場では、たくさんの懐かしい人にあった。参加者のほとんどが親戚だった。

先祖のことをみんなに聞いてみた。誰もその人について知らなかったが、同級生の姉から池城村出身のKさんという親戚の女性を紹介してもらえることになった。Kさんは池城村にあるアッコちゃんの祖母の生家で生まれた。そこは20年前アッコちゃんが村の戸籍を手に入れたのと同じ家だった。Kさんはアッコちゃんの遠い親戚になる。

早速アッコちゃんはKさんに連絡をした。すると翌日、Kさんは車を運転して家に来てくれた。87歳なのに元気だ。

遠い親戚を通して先祖の名前が更に見つかる

Kさんはアッコちゃんが知りたかった先祖のことは、知らなかった。しかし池城村のことをよく知っていた。アッコちゃんの祖母や実の母親のことをよく知っていた。祖母は一番下の娘を連れて、よく池城村の実家を訪問していたそうだ。

アッコちゃんは帰省してからも何回かKさんに電話をかけて戸籍のことで分からないことを教えてもらった。

すると次第にほとんどの池城の村人が、傍系の親戚だということが分かってきた。20年前の戸籍から先祖の名前がどんどん見つかった。

こうして村の謄本から見つけた先祖は500人以上になる。今もなお先祖の名前が出てきている。

亡くなってから110年以上になる先祖は傍系だとしても、神殿において死者のための身代わりのバプテスマを始めとする救いに必要な儀式を行うことができる。

アッコちゃんは家族や教会員の助けを借りて、探し出した先祖のための身代わりの儀式を行うことができた。

アッコちゃんは家族歴史を調べているときに先祖を近く感じる。昔の農村で先祖たちが一生懸命に生きていた様子が目に浮かぶようだ。きっと福音を受け入れてくれると信じている。

今、ひとつの小さな村の人たちが神殿の儀式を通してひとつの大きな家族として結ばれようとしている。

 

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美佳子さんはモアグッド財団の翻訳者であり筆記者です。ユタ州立大学で音楽療法を専攻した後に、音楽療法士になりました。読書、楽器を弾くこと、文章を書くことが好きです。
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